伊東温泉概要: 伊東温泉の開湯は不詳ですが伊東三湯(和田湯、出来湯、猪戸ノ湯)に数えられる猪戸ノ湯では傷ついた猪が源泉に浸かり傷を癒しているところを村人が発見したのが始まりとされます。貞観18年(876)には上総介藤原資範が白浜明神(現在の白浜神社:下田市)の参拝の帰途に伊東温泉を利用した事が記されおり、少なくともこれ以前から知られた存在だったと思われます。
慶安3年(1650)には病弱だった3代将軍徳川家光の為、和田湯の源泉から温泉を汲み上げ江戸城まで運び湯治したとされます。伊東温泉の効能が優れていた為、家光の病症がみるみる平癒し、御典医も驚愕したとされ、その噂が江戸中に広まり庶民の中にも伊東温泉の名声が浸透し、江戸時代中期になると湯治場として利用する人達が飛躍的に増えて賑わうようになりました。明治時代に入ると与謝野夫妻、幸田露伴、川端康成、室生犀星、種田山頭火、高浜虚子、北原白秋などの文人墨客が訪れるようになり、昭和25年(1950)には伊東温泉、熱海温泉、別府温泉が国際観光文化都市に定められたことにより日本三大温泉場と呼ばれるようになりました。
動力湧出量の毎分33000〜35000リットルは別府温泉、由布院温泉に次いで第3位、源泉総数の529箇所は別府温泉(2848)、湯布院温泉(804)に次いで第3位、総湧出量は別府温泉、奥飛騨温泉、湯布院温泉、草津温泉に次いで第5位と伊東温泉は全国有数の温泉とされます。温泉街には現在も公共浴場が多く住民生活にも密着した存在です。
伊東温泉の泉質−食塩泉・芒硝泉・単純泉(27〜57℃)
伊東温泉の効能−慢性関節リュウマチ・手足の冷え・打撲傷・捻挫・外傷・火傷など
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