福王寺(磐田市)概要: 風祭山福王寺は静岡県磐田市城之崎に境内を構えている曹洞宗の寺院です。福王寺の創建は不詳ですが1千年以上前に真言宗高野山の末寺として開かれたのが始まりとされます。
永観2年(954)、当地でとてつもない大暴風雨が起り中々治まらなかった時、たまたま巡錫で当地を訪れた陰陽師安部清明が福王寺境内の西南の高台に祭壇を設け祈祷した所、不思議な事に風が止まり快晴になったそうです。その故事により山号を「風祭山」に改め、祭壇跡地には安部清明大権現を勧請し風除けの神として風祭りを行い篤く信仰されるようになりました。
文安元年(1444)、天翁義一大和尚(寒厳義尹禅師の法孫、普済寺開山、華蔵義曇禅師の法弟)を迎え真言宗から曹洞宗に改宗しています。戦国時代には今川氏が当寺に立て籠もるなど関係が深く境内には今川範国(今川基氏の5男、駿河今川氏の祖、遠江国、駿河国守護職、至徳元年:1384年享年87歳死去)の墓と伝わる墓碑が建立されています。
福王寺本堂は寛保2年(1742)に再建されたもので入母屋、桟瓦葺、平入、桁行9間。山門は慶応4年(1868)に再建されたもので入母屋、桟瓦葺、一間一戸、四脚楼門、上層部は鐘楼堂、高欄付、外壁は弁柄色塗り。
本尊である聖観音菩薩立像は行基菩薩が彫刻したと伝わるもので平成17年(2005)に磐田市指定有形文化財に指定されています。アキザキヤツシロラン群生地は平成17年(2005)に磐田市指定天然記念物に指定されています。
福王寺のケヤキは推定樹齢200〜300年、樹高27.5m、幹周3.47m、平成17年(2005)に磐田市指定天然記念物に指定されています。
遠州三十三観音霊場第十八番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:かすみはれ みどりのそらも のどけくて はなやきのさき じひのはるかぜ)。遠江四十九薬師霊場客番札所。遠州七福神:福禄寿尊天霊場。山号:風祭山。宗派:曹洞宗。本尊:聖観世音菩薩。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由来)-風祭山福王寺
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