伊豆市: 善名寺(吉奈温泉)

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概要・歴史・観光・見所

善名寺(吉奈温泉)概要: 医王山善名寺は静岡県伊豆市吉奈に境内を構えている日蓮宗の寺院です。善名寺の創建は神亀元年(724)、諸国を巡錫していた行基菩薩(奈良時代の高僧)が当地に一宇を設け自ら彫り込んだ釈迦如来像、薬師如来像、阿弥陀如来像の三尊を安置したのが始まりと伝えられています。

その際、霊夢で妙湯権現が出現し源泉の場所を告げたので、早速その場所(境内)掘ってみると懇々と霊泉湧き出し何時しか吉奈温泉(泉質:アルカリ性単純温泉・泉温:44〜55℃)と呼ばれるようになりました。

安貞年間(1227〜1228年)、幸賢大徳が再興し七堂伽藍を整備すると十二神将を彫り込み安置、その後は寺運が隆盛し真言宗の巨刹として名を馳せました。

室町時代に入ると天災や人災が重なり次第に衰退し廃寺同然の状態になりましたが、江戸時代に入ると徳川家康の愛妾お万の方(養珠院)が善名寺を帰依した事で再興し、お万の方が日頃信仰していた法華宗に改宗しました。

伝承によるとお万の方は世継ぎが生まれない事を憂いていた際、善名寺に子宝祈願を行い吉奈温泉に浸かったところ、見事懐妊し、後の紀州藩主徳川頼宣と水戸藩主徳川頼房を出産した事から霊験に感謝し元禄2年(1689)に堂宇を大改修したと伝えられています。

現在の善名寺本堂は大正10年(1921)に再建されたもので木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺、平入、桁行6間、梁間4間、正面1間向拝付、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。境内は本堂の他、薬師堂や不動堂、庫裏、水屋などを備え仏餉鉢や木造薬師如来座像など数多くの寺宝を所有し文化財指定されています。山号:医王山。宗派:日蓮宗。本尊:十界大曼荼羅。

善名寺の文化財
・ 仏餉鉢-安貞2年-青銅製,口径203p,高さ82p-静岡県指定文化財
・ 木造薬師如来座像-平安中期-カヤ材,一木造,像高149p-県指定文化財
・ 木造釈迦如来像-平安中期-桧材,一木造,像高141p-伊豆市指定文化財
・ 木造菩薩形立像-平安後期-桧材,一木造,像高110p-伊豆市指定文化財
・ 木造蔵王権現立像-平安後期-桧材,一木造,像高148p-伊豆市指定文化財
・ 木造天部形立像-平安後期-桧材,一木造,像高113.5p-伊豆市指定文化財
・ 永正の鰐口-永正4年-青銅製、直径22p-伊豆市指定文化財

不動堂の文化財
・ 妙湯大権現-平安後期-桧材,一木造,像高81p-伊豆市指定文化財
・ 木造天部形立像-平安後期-桧材,一木造,像高114p-伊豆市指定文化財

【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(吉奈温泉と善名寺縁起)-医王山善名寺
・ 現地案内板-伊豆市教育委員会

善名寺:写真

善名寺本堂を右斜め正面から撮影した写真
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善名寺境内に建立されている不動堂 善名寺の御堂を正面から撮影した写真 善名寺境内高台から見た本堂の側面と石燈籠 善名寺境内に建立されている石碑群


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