毘沙門堂(伊豆の国市)概要: 毘沙門堂は静岡県伊豆の国市奈古谷水上に位置しています。毘沙門堂の創建は不詳ですが伝承によると、承安3年(1173)にこの地に配流地された文覚上人は源頼朝を平家追討を導いた1人とされ、平家滅亡の念願が成就すると、文覚上人は頼朝の命で安養浄土院の旧跡に瑞龍山授福寺として再興させ、毘沙門堂をその鎮守としたそうです。
麓からの参道(毘沙門道)には七つ石(蛇石・夫婦石・谷響石・弘法石・大日石・護摩石・冠石)と呼ばれる石や石仏が点在し、真言宗の道場だった痕跡が窺えます。古くから神仏習合の形態だったようで、境内には仏式である仁王門や毘沙門堂と神式である鳥居が混在しています。
仁王門に安置される仁王像は鎌倉時代後期の延徳3年(1319)に制作されたものと推定される貴重もので昭和50年(1975)に静岡県指定文化財に指定されています。毘沙門堂の本尊は平安時代初期に安養浄土院を開いた慈覚大師が自ら彫り込んだと伝わる毘沙門天像で50年毎の大開帳・25年毎の中開帳の秘仏とされます。
仁王門は切妻、桟瓦葺き、三間一戸、八脚単層門、桁行3間、張間2間。毘沙門堂は大永年間(1521〜1527年)に再建され、昭和50年(1975)に修復されたもので、木造平屋建て、寄棟、鉄板葺き、平入、桁行3間、張間4間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。現在、毘沙門堂は国清寺の鎮守として管理されています。毎年1月3日の例祭で行われる「だるま市」は数多くの達磨が並べられ、近隣からそれを求める人々が集まります。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(金剛力士・門:由来)-保存会
・ 現地案内板(縁起)-毘沙門天世話人・韮山町産業観光課
|
|