正林寺(菊川市)概要: 磯部山正林寺は静岡県菊川市高橋に境内を構えている曹洞宗の寺院です。室町時代の文明8年(1476)、今川義忠(駿河今川家6代当主、今川義元の祖父、駿河国守護職)は謀反を起こした横地四郎兵衛と勝間田修理亮が立て籠もる勝間田城と金寿城を攻め落としましたが、凱旋気分で気を許した塩見坂で両氏の残党に襲われ討死しています。永正14年(1517)、嫡男である今川氏親が父親である今川義忠の菩提を弔う為に寺院を造営し義忠の戒名「長保寺殿桂山宗昌大禅定門」に因み寺号を「国源山昌桂寺」と名付けています。
その後、天文20年(1551)に昌林寺、慶長5年(1600)に正林寺に寺号を改称しています。正林寺の寺宝には今川家関係のもの多く本堂には義忠の位牌が安置され、「今川六代義忠の木像(香を聞く義忠像)」と「寿桂尼の画像」(寿桂尼:今川氏親の正室)画像が平成2年(1990)に菊川市指定文化財に指定されています。境内には義忠や家臣の五輪塔が建立されています。
正林寺本堂は寄棟、銅板葺、平入、桁行9間、外壁は真壁造、白漆喰仕上げ、腰壁は板張。遠江三十三観音霊場第29番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:やつたにや梅の名木のりの寺 うしおにひびく鐘のおとずれ)。山号:磯部山。宗派:曹洞宗。本尊:十一面観世音菩薩。
|