大澤寺(牧之原市)概要: 釘浦山大澤寺は静岡県牧之原市波津に境内を構えている浄土真宗大谷派の寺院です。大澤寺の創建は永禄元年(1558)、浄了(今井権七:近江安土出身)が開いたのが始まりと伝えられています。当初は本楽寺と称し城東郡段平尾にありましたが天正2年(1574)第2次高天神城攻防戦の際境内が徳川方の本陣として利用された為兵火により焼失、天正11年(1583)徳川家康から相良大沢を与えられ、本楽院大澤寺に改称しています。
天正14年(1586)で火災により多くの堂宇、寺宝、記録などが焼失すると家康の庇護もあり、鷹狩り場だった相良新町に境内を移します。安永7年(1778)に火災により焼失、境内が相良城の大手当たる要地だった事から波津に移されます。天明8年(1788)、相良城が廃城となった為、用材が大澤寺本堂再建に利用されています。
現在の大澤寺本堂は寛政5年(1793)に再建されたもので入母屋、桟瓦葺、平入、正面1間向拝付、随所に龍や菊、兎など精緻な彫刻が施され江戸時代中期の寺院本堂建築の遺構として貴重な事から昭和41年(1966)に牧之原市指定文化財に指定されています。寺宝である阿弥陀如来立像は室町時代末期に制作されたと推定されるもので(元禄年間:1688〜1704年に波津の漁師の網にかかり奉納された)、檜材、像高43センチ、本堂と同様に昭和41年(1966)牧之原市指定文化財に指定されています。山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚門。宗派:浄土真宗大谷派。本尊:阿弥陀如来。
|