乗運寺(沼津市)概要: 千本山乗運寺は静岡県 沼津市本字出口町に境内を構えている浄土宗の寺院です。乗運寺の創建は室町時代後期の天文6年(1537)、増誉長円上人(比叡山延暦寺阿闍梨乗運の法弟)が草庵を建てたのが始まりと伝えられています。増誉は読経をしながら松の苗を植え続け住民の潮風被害を防ごうとした人物とされ草庵も住民達が行いと徳を称え建てたものと伝えられています(当初の千本松原は天正8年:1580に発生した武田と北条の千本浜の合戦の兵火により焼失、又は本陣を構える為伐採されたとされ、現在見られる松林は増誉上人が植樹したものとされます)。
当初は成鳴寺と称していましたが天正8年(1580)に寺院として開基し乗運寺に改称、沼津城(当時は三枚橋城)の城主である松平康親が天正11年(1583)に北条家との戦いの最中に城内で死去(享年63歳。法名:空閑院殿厳誉豊月崇輝大居士)すると菩提寺である当寺に葬られています。安永6年(1777)に水野忠友が当地に移封となり沼津藩を立藩すると乗運寺が水野家の領内菩提寺として指定され寺運が隆盛しました。昭和3年(1928)に沼津で死去した若山牧水(戦前日本の歌人)は乗運寺に葬られて墓碑が建立されています。昭和20年(1945)の太平洋戦争の戦災により多くの堂宇が焼失しましたが昭和40年(1965)には本堂が再建されています。本堂は木造平屋建て、入母屋、本瓦葺き、平入、桁行6間半、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。山号:千本山。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
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