光長寺(沼津市)概要: 徳永山光長寺は静岡県沼津市岡宮に境内を構えている法華宗の寺院です。光長寺の創建は不詳ですが天台宗の寺院として開けれたのが始まりと伝えられています。建治2年(1276)、当時の住職空存は日法上人(日蓮上人の高弟)の教化を受け日春の名を授けられ、法華宗に改宗し光長寺と寺号を改めています。その後、領主となった今川家、徳川家から寺領を安堵される等庇護を受けた事もあり寺運は隆盛し法華宗4大本山(本能寺・鷲山寺・本興寺・光長寺)の1つに数えられ、本門八品の根本道場として多くの信者を擁しました。慶長年間(1596〜1615年)と明治23年(1890)の火災により多くの堂宇、寺宝、記録などが焼失し大きな被害を受けましたが、その都度再建され今尚多くの寺宝を所有しています。
特に宝物集巻第一は弘安10年(1287)に日春が写本したもので日本に残る最古の写本として大変貴重な事から平成6年(1994)に国指定重要文化財に指定されています。その他の寺宝としては鎌倉時代に日春が筆した法門聴聞集(附:連々聴聞集、日弁消息、日意筆法門聴聞集表題並びに奥書)が平成6年(1994)に静岡県指定文化財に指定されています。
光長寺御宝蔵は昭和2年(1927)に建てられたもので、鉄筋コンクリート造平屋建、尖塔屋根、六角堂、銅板葺き、外壁はモルタル仕上げ、建築面積41u、設計は金田恭介、施工は内田金五郎、昭和初期の洋風御堂建築の遺構として貴重で、「再現することが容易でないもの」との登録基準を満たしている事から平成12年(2000)に国登録有形文化財に登録されています。
光長寺山門は江戸時代初期の正保2年(1645)に建てられたもので、切妻、本瓦葺き、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚単層門、安置されている仁王像(木造金剛力士像:阿形・吽形)は慶安5年(1652)に製作されたもので、貴重な事から昭和50年(1975)に沼津市指定文化財にそれぞれ指定されています。山号:徳永山。宗派:法華宗。本尊:十界曼荼羅。
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