石廊崎(南伊豆町)概要: 石廊崎は伊豆を代表する景勝地で伊豆半島最南端の岬です。太平洋に突き出ている為、石廊崎の先端の東が相模湾、西が駿河湾に分けられています。先端部は地層の隆起と海食作用により100mの断崖が形成され、その位置的な特異性と景観の特異性から信仰の対象となり、5世紀頃には石室山金剛院が先端近くに建立されたとされ、その後裔が石室神社として受け継がれています(伊豆に流された役の行者が勧請したとも。)。特に石廊崎の東入江にある石廊崎港は風待港として利用されていた為、漁師や開運関係者から崇敬され伝説の1つが「石廊崎権現の帆柱」として伊豆七不思議に数えられています。明治時代に入っても重要性が変わらず明治4年(1871)には石廊崎灯台が設置されています。先端には縁結びの神に御利益があると伝わる熊野神社の小祠が鎮座し、次のような伝説が残っています。昔、名主の娘と、漁師の男が恋に落ちましたが、身分の違いから男は神子元島に遠ざけられてしまします。娘は石廊崎の先端で毎晩火を焚き、男も神子元島の高台で火を焚きお互いの無事を確かめ合っていました。ある日、娘が石廊崎の先端に来たところ、神子元島の明かりが見えなかった為、心配になり舟で神子元島に向かおうとしたところ強い風が吹き付け進む事が出来ませんでした。そこで娘は熊野権現に強く念じるとたちまち風が収まり男と会うことが出来ました。この話を聞いた名主は神意があると感じ2人を許し幸せになったと伝えられています。
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