潮海寺(菊川市)概要: 広厳城山潮海寺は静岡県菊川市潮海寺に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。潮海寺の創建は不詳ですが伝承によると聖武天皇(第45代天皇・在位:724〜749年)の御代、行基菩薩が開いたのが始まりと伝えられています。
桓武天皇(第50代天皇・在位:781〜806年)の御代には坂上田村麻呂が七堂伽藍を整備したされ、最盛期には寺領3千石、坊院75坊を擁する大寺として大きな影響力を持ちました。
境内背後の高台は砦として今川氏や徳川氏が利用していたこともあり度重なる兵火により多くの堂宇(旧薬師堂は発掘の結果67個の礎石が発見され百数十畳の広さがあったと推定されています)、寺宝、記録などが焼失し衰退しますが横須賀城の城主大須賀康高によって再興しています。
古くから神仏習合し鎮守である八坂神社の祭祀を司ってきましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令によりそれぞれが独立しています。
潮海寺山門は宝永2年(1705)に再建されたもので寄棟、銅板葺、三間一戸、八脚単層門、両側に仁王像(像高約3m、寄木造)が安置、江戸時代中期の寺院山門建築の遺構として貴重な事から昭和35年(1960)に菊川市指定文化財に指定されています。
薬師堂は元禄7年(1692)に再建されたもので木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、妻入、間口2間、奥行3間、外壁は真壁造板張り木部朱塗り、正面左右花頭窓付。
3年に1度行われる祇園際は八坂神社との合祭で神仏習合時代の名残であると同時に奉納される祇園囃子は古式を継承する行事として貴重な事から名称「潮海寺祇園お囃子」として昭和35年(1960)に菊川市指定無形民俗文化財に指定されています。山号:広厳城山。宗派:高野山真言宗。本尊:薬師如来。
八脚門を簡単に説明した動画
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(薬師堂・広厳城山潮海寺仁王門)
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