白羽神社(御前崎市)概要: 白羽神社は静岡県御前崎市白羽に鎮座している神社です。白羽神社の創建は承和4年(838)、元宮である駒形神社から鎮座したのが始まりと伝えられています。当地は奈良時代から平安時代にかけて白羽官牧が設けられていた事から当社も関係が深い存在だったと思われます。延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載された式内社服織田神社とも云われています(牧之原市に鎮座する服織田神社が式内社服織田神社に比定されています)。
歴代領主から崇敬庇護され社運も隆盛しましたが元亀年間(1570〜1573年)、武田信玄による兵火により多くの社殿、社宝、記録などが焼失します。その後、武田信玄により社殿が再建され、武田家の祈願所として社領が安堵され、江戸時代に入ると幕府から庇護され朱印地105石が安堵されています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治6年(1873)に郷社、昭和5年(1930)に県社に列し、明治44年(1911)に神饌幣帛料供進社に指定されています。
白羽神社の社宝である武田家朱印状は「信玄印判状(元亀3年:1572年・市川宮内助→土屋豊前守)」と「勝頼印判状(天正2年:1574年・市川宮内助→白羽大明神神主)」、「勝頼印判状禁制(天正5年:1577年・安部加賀守→白羽郷)」の3通で貴重な事から昭和45年(1970)に御前崎指定有形文化財に指定されています。現在の白羽神社本殿は江戸時代中期から後期に建立されたと推定される建物で入母屋、こけら葺、平入、桁行3間、梁間2間、随所に仏教系の意匠が施され神仏習合の名残が見られます。白羽神社本殿は当時の神社本殿建築の遺構として貴重な事から昭和44年(1969)に御前崎市指定有形文化財に指定されています。祭神:天津日高日子穂々手見命、豊玉毘賣命、玉依毘賣命。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-御前崎市教育委員会
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