高松神社(御前崎市)概要: 高松神社は静岡県御前崎市門屋に鎮座している神社です。高松神社の創建は大宝元年(701)、文武天皇の勅願により、紀州熊野三社を勧請したのが始まりと伝えられています。伝承によると文武天皇の后宮子(藤原不比等の娘)が崇敬社である熊野神社に懐妊の祈願した際、念願成就したあかつきには東国に熊野三社を勧請する約束をしました。
その後、見事念願成就し御子のにも恵まれた為、縁のあった遠江国で奥野左衛門是吉に命じて霊地を探させ掛川西大渕(三熊野神社)に熊野本宮大社(和歌山県田辺市本宮町本宮)の分霊、高松に熊野速玉大社(和歌山県新宮市新宮)の分霊、小笠山に熊野那智大社(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)の分霊をそれぞれ勧請したと伝えられています。以来、その三社は「遠州の熊野三山」と呼ばれ広く信仰されるようになりました。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て県社に列しています。
現在の高松神社本殿は天明4年(1784)に再建されたと伝えられる建物で、入母屋、銅板葺、桁行3間、梁間3間、正面屋根には大型の千鳥破風が設えられ、外壁周囲には獅子や漠、像、犀など魔除や縁起物の彫刻が数多く施されています。高松神社本殿は江戸時代中期の神社本殿建築の遺構として貴重な事から平成19年(2007)に御前崎市指定有形文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、正面千鳥破風、銅板葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造板張り。祭神:伊弉冊尊、速玉男命、事解男命
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