妙日寺(袋井市)概要: 貫名山妙日寺は静岡県袋井市広岡に境内を構えている日蓮宗の寺院です。妙日寺の創建は正慶元年(1332)、身延山久遠寺(山梨県身延町)の日善によって開かれたのが始まりとされます。
境内は日蓮宗開祖である日蓮上人の一族である貫名氏の宅邸跡と伝えられる所で寺号も父親である戒名である「妙日尊儀」を由来としています。伝承によると、井伊家の一族貫名氏の後裔である貫名重忠は幕府内の政争に敗れ安房国の小湊(現在の千葉県鴨川市小湊)に流され、その後生まれた4男が日蓮上人とされます。
正嘉2年(1258)に重忠が死去するにあたり、遺言(本貫である貫名の地に埋葬してほしい)に従い貫名氏一族の墓域に埋葬され、さらに、文永4年(1267)母親である梅菊君が死去するとやはり遺言に従い貫名の地に埋葬され、正慶元年(1332)久遠寺4世日善は日蓮上人の思いを引き継ぎ貫名氏居館跡地に妙日寺を創建しました。
妙日寺境内には「妙日尊儀・妙蓮尊儀供養塔」や貫名氏歴代の供養塔が建立されている他、思親殿には日蓮上人と両親の木像が安置されています。中でも「妙日尊儀・妙蓮尊儀供養塔」は柳生十兵衛但馬守が建立したもので、貴重な事から昭和62年(1987)に袋井市指定文化財(歴史資料)に指定されています。
山門は切妻、銅板葺き、一間一戸、四脚門。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行7間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。遠州七不思議のひとつ「方葉の葦」。山号:貫名山。宗派:日蓮宗。本尊:日蓮聖人。
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