龍澤寺(三島市)概要: 円通山龍澤寺は静岡県三島市沢地に境内を構えている臨済宗妙心寺派の寺院です。龍澤寺の創建は平安時代初期、弘法大師空海(真言宗の開祖)が開いたのが始まりと伝えられています。その後は衰退したと思われ、宝暦11年(1761)に白隠慧鶴とその高弟である東嶺円慈が開山、境内の整備を行っています。
白隠慧鶴は臨済宗中興の祖と称される江戸中期の高僧で「遠羅手釜」、「夜船閑話」、「坐禅和讃」などの著作物や白隠独特の画法を用いた多数の絵画を残しており、当時は「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」とまで言われ現在でも臨済宗十四派は全て白隠を中興としています。その後、龍澤寺は興隆、衰退を繰り返し、大正4年(1915)に山本玄峰が修行道場として再興し、多くの著名人が禅修業に訪れるようになりました。
寺宝である紙本著色白隠自画像は明和3年(1767)に白隠83歳の時自ら描いたもので数ある作品の中でも傑作の1つに数えられ静岡県指定文化財に指定されています。堂宇に施された鏝絵は漆喰鏝絵の名工として名を馳せた入江長八(伊豆長八)が64歳の時、龍澤寺で坐禅修行のため参籠した時製作したもので「不動明王」、「二童子像」、「天孫降臨図」、「龍」、「星定老師像」など約20点が三島市指定文化財に指定されています。伊豆八十八ヶ所霊場第21番札所(札所本尊:子安観世音菩薩・御詠歌:みなもとは 沢地の寺の み仏の 恵みをうけて 生れきしかな)。山号:円通山。宗派:臨済宗妙心寺派。本尊:子安観世音菩薩
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