湊神社(湖西市新居町)概要: 湊神社は静岡県湖西市新居町新居に鎮座している神社です。湊神社の創建は不詳ですが、嘉祥3年(850年)官社に列した格式の高い神社で延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている角避比古神社とされ遠江国に2社だけの名神大社に格付けられています。角避比古神は津の幸彦の神で湖口の開塞を司る水門の守護神とされ、太平洋に面する浜名湖(明応7年:1498年の大震災で汽水湖になった)には相応しい神と思われます。
当初は浜名湖口に鎮座していましたが、明応7年(1498)の大震災と大津波により社殿が倒壊流出たとされ記録なども紛失しています。その為、由緒が曖昧となり、社殿が流され付いた場所に細江神社、元の境内とされる諏訪神社、新たに遷座した湊神社がそれぞれ角避比古神社を前身として論社となっています。
湊神社は数回の遷座を繰り返し宝永5年(1708)に現在地(源太山)に遷座し、湊に近接し湊の守護神として湊神社と称するようになりました。その後は疱瘡の守護神として広く信仰を集め例祭には遠方からも参拝者が訪れ賑いました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、明治3年(1870)に有栖川宮家の御祈願所となり明治4年(1871)に名神大社、角避比古神社の後裔の神社として国幣中社に列しました。しかし、角避比古神社の論社が複数あった為特定出来ず、鎮座地不明として社格が除かれ村社に列しました。
湊神社拝殿は入母屋、桟瓦葺、平入、桁行3間、梁間2間、正面1間向拝付。本殿は覆い屋がある為に不詳。境内正面には平唐門、銅板葺、一間一戸の神門(神社山門)が建立されています。祭神:須佐之男命。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由緒)-湊神社
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