長谷寺(沼津市)概要: 稲久山長谷寺は静岡県沼津市千本緑町に境内を構えている時宗の寺院です。長谷寺の創建は平安時代初期の天長2年(825)、弘法大師空海(真言宗の開祖)が全国巡錫の折、この地を訪れ、地元の漁師が信仰していた観音像を御堂に安置したのが始まりと伝えられています。その後、初瀬寺(後の長谷寺:奈良県桜井市初瀬)の末寺となると寺運が隆盛し境内には七堂伽藍が建ち並んでいたそうです(当初から初瀬寺の末寺として創建されたとも)。
記録はありませんが、天正8年(1580)に武田勝頼と小田原北条氏との戦いである千本浜の合戦が当地区で行われている事から兵火により大きな被害を受け衰微したと思われます。寛永2年(1625)に天澤和尚が時宗の寺院として再興したと推定され、寛永12年(1635)には観音堂が造営されています。
寺宝には十一面観世音菩薩像、薬師如来像、聖徳太子像、弘法大師像、賓頭盧尊者像。例祭で開帳される大観音曼陀羅は長さ30m、幅14m、大きさは100反とされ高さ18メートルの設置台に掲げられます。駿河一国三十三観音霊場第31番札所。駿豆横道第13番札所。駿河百地蔵札所第95番札所(札所本尊:日限地蔵尊・御詠歌:波の音松の響きも法の声 日限りて願う身こそ安けれ)。山号:稲久山。宗派:時宗。本尊:十一面観世音菩薩。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(案内)-稲久山長谷寺
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