韮山反射炉(伊豆の国市)概要: 韮山反射炉は静岡県伊豆の国市中字鳴滝入に位置しています。 嘉永6年(1853)、ペリー来航により、外国船に対して日本沿岸の防衛強化の気運が急速に高まりました。当時の韮山代官江川英龍は江戸湾海防の実務責任者として反射炉の建設に着手し、大砲鋳造の近代化を図り量産化を計画しました。しかし、「ライク王立鉄大砲鋳造所における鋳造法」を題する蘭学書のみで建設を進めた為、迅速な工事とはいかず、安政2年(1855)に英龍は死去、跡を継いだ英敏は既に反射炉を完成させていた佐賀藩の技師を要請しようやく安政4年(1857)に完成しました。韮山反射炉で鋳造された大砲の多くが品川にある台場に設置し28門を数えたそうです。
明治時代に入り使用されなくなると全国に設けられた反射炉の多くが解体される中、韮山反射炉は唯一残された遺構として明治38年(1905)から保存活動が行われ大正11年(1922)には国指定史跡に指定され、平成19年(2007)には経済産業省から近代化産業遺産に認定されています。又、平成27年(2015)には名称「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に選定されています。
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