葛山城(裾野市)概要: 葛山城は静岡県裾野市葛山に位置する中世の山城です。城主である葛山氏は13世紀に既にこの地に土着していた豪族で、元々は藤原北家の流れを受け継ぎ鎌倉時代では御家人だったとされます。室町時代中期までは独立した国人領主として周囲を支配していましたが戦国時代に入ると今川氏に従属するようになり、さらに今川氏が衰退すると武田信玄に従うようになります。
葛山氏の支配地域は今川、武田、北条の領地に接した地域だった為、常に危機を波らんだ状態だったとされ信玄に従うものの北条氏へも気を使う態度を取った事で内通を疑われます。当時の当主氏元は首を刎ねられ、信玄6男信貞が氏元の二女を正室に迎えることで葛山家を相続、しかし、天正10年(1582)、織田信長の甲斐侵攻により武田氏が滅ぶと信貞も甲斐善光寺(山梨県甲府市)で自決し葛山氏は滅亡しています。
葛山城の築城年は不詳ですが、室町時代に築城したと推定され本丸を中心に2の曲輪、東曲輪、西曲輪、大手曲輪などの郭が配され、麓500m先に領主の居館(葛山館)跡と戦時に利用した詰城跡、菩提寺である仙年寺(境内には歴代葛山家の墓が建立されています。)が明確に残っている貴重な遺構とされます。葛山城の城跡は貴重な事から昭和48年(1973)に裾野市指定史跡に指定されています。
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