葛山館(裾野市)概要: 葛山館は静岡県裾野市葛山に位置する中世国人領主の居館跡です。葛山氏は13世紀に既にこの地に土着していた豪族で、元々は藤原北家の流れを受け継ぎ鎌倉時代では御家人だったとされます。居館は鎌倉時代に築城されたと推定されるものの郭の規模や土塁、堀の形状、周囲の郭と思われる家臣の屋敷跡から室町時代から戦国時代にかけて大幅な改修が行われたと思われます。館は、東西100m、南北100m約10000uの規模を持ち周囲の家臣屋敷を含まなければ単濠単郭式の方形館といえます。土塁は高さ4m、底幅7m、上幅2m、堀幅7m、西側に城門跡と思われる遺構が2箇所あり、その内1箇所は枡形を形成し重要な出入り口だったと思われます。
葛山館の500m離れた位置には詰城である葛山城が配され、中世の居館の典型を見ることが出来ますが、葛山館に接し家臣である半田、荻田、岡村といった家臣屋敷や鍛冶屋敷が他の平地とは異なる形状をもっている為、単なる単郭式の居館ではなく発展的な城郭への移行が感じられます。葛山館は中世国人領主の居館跡として貴重な事から昭和48年(1973)に裾野市指定史跡に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-裾野市教育委員会
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