走り湯(伊豆山温泉)概要: 走り湯は静岡県熱海市伊豆山に位置しています。走り湯の起源は伊豆風土記によると養老年間(717〜724年)に役小角(修験道の開祖)によって発見されたのが始まりとされます。
道後温泉(愛媛県松山市道後湯之町)、有馬温泉(兵庫県神戸市北区有馬町)と共に日本三大古泉とされ、建暦3年(1213)に鎌倉幕府第3代征夷大将軍源実朝よって編纂された金槐和歌集では「伊豆の国山の南に出づる湯の早きは神のしるしなりけり」・「はしりゆの神とはむへそいひけらし はやきしるしのあれはなりけり」・「わたつ海のなかにむかひていつるゆの いつのお山とむへもいいけり」の詩は走り湯の事を詠ったとされます。
又、源頼朝が走り湯から引いた温泉に浸かり再起を決意し幕府創建に至ったとの伝承から信仰の対象にもなり、鎌倉時代以降は伊豆山権現と箱根権現を参拝することを「二所詣」と称して広く知られるようになりました。
諸大名も熱海遊覧の折には必ず参拝したとされ、明治以前は中腹に鎮座する伊豆山神社の神事には欠かさず走り湯の源泉が用いられ「神湯」とも呼ばれました。
奥行約5mの洞窟の奥からは一日約7000トンも源泉が湧き出ており日本でも極めて珍しい横穴式源泉です。走り湯の泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物泉。泉温は62.1℃。効能はリウマチ、神経痛、冷症、婦人病、火傷など。走り湯は昭和52年(1977)に熱海市指定史跡に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-伊豆山走り湯温泉組合・熱海市教育委員会
・ 現地案内板
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