瑞林寺(富士市)概要: 福寿山瑞林寺は静岡県富士市松岡に境内を構えている黄檗宗の寺院です。 瑞林寺の創建は不詳ですが当初は天台宗寺院で清泰寺と称していたと伝えられています。天正年間(1573〜1592年)、富士川の大洪水により境内が大きな被害を受け衰退しますが、正保2年(1645)、当時の駿河代官古郡孫太夫重政が清泰寺を現在地に移し再興し寺号を天岳寺に改称し臨済宗に改宗しました。さらに延宝2年(1674)、重年(重政の子)が鉄牛禅師(黄檗三傑)を招いて瑞林寺に寺号を改称し黄檗宗に改宗しています。富士横道観音霊場第28番札所。駿河国地蔵尊霊場第23番札所。山号:福寿山。宗派:黄檗宗。本尊:地蔵菩薩。
瑞林寺本尊である地蔵菩薩座像は治承元年(1177)に運慶の父親である康慶が製作したもので(胎内に銘が残されています)、寄木造、像高85cm、特に特徴的なのは仏像全身が梵字で装飾されているところで当時の信仰の深さを感じさせてくれます。地蔵菩薩座像は意匠的に優れ保存状態もよく、珍しい康慶作として大変貴重な事から昭和57年(1982)に国指定重要文化財に指定されています。
又、瑞林寺境内は黄檗宗の伽藍配置がなされ江戸時代後期に再建された一見風変わりな山門(牌楼様式)や鐘楼(入母屋、桟瓦葺き、平入、一重もこし付、高欄付き)、本堂(入母屋、銅瓦棒葺き、平入、桁行5間、正面1間唐破風向拝付き)など独特な建物が並び平成4年(1992)に名称「瑞林寺伽藍」として富士市指定文化財に指定されています。
瑞林寺は寺宝も多く、中でも「紙本墨書福寿山瑞林禅寺記」は貴重なものとされ昭和59年(1984)に富士市指定文化財に指定されています。又、境内は古木大木が多く風致に富、中でもモッコクとヒイラギは貴重な事から昭和45年(1970)に富士市指定天然物に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(御案内)-瑞林寺
・ 現地案内板(瑞林寺の毘沙門)
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