鹿苑神社(磐田市)概要: 鹿苑神社は静岡県磐田市二ノ宮に鎮座している神社です。鹿苑神社の創建は履中天皇4年(403)に勧請されたのが始まりと伝えられています。
当初は杉村神戸島(正国六音大菩薩社の境内:静岡県浜松市天竜区春野町杉字上ノ山)に鎮座していましたが、元慶3年(881)に磐田郡から磐田郡を割いて山香郡を置いた事に伴い当時の遠江国司が国府に近い現在地に遷座、又は正国六音大菩薩社から分霊が勧請されたとしています。
現在、遠江国府が設置された場所は確定されておらず、古文書などから見附地域(磐田北小学校校庭付近)説と、出土品などから御殿・二之宮遺跡の2説が有力ですが、鹿苑神社の由緒を信じれば御殿・二之宮遺跡の方が有力という事になります(淡海国玉神社の由緒を信じれば磐田北小学校校庭付近説が有力)。
鹿苑神社は格式が高く「文徳実録」には嘉祥3年(850)に従五位下、「三代実録」には貞観2年(860)に従四位下に列した事が記載され、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳には式内社として名を連ねています。又、遠江国二ノ宮、於保郷13ヶ村の惣社として多くの社領を有し、文永5年(1268)には遠江国二宮領との記述があり最盛期には300石を領していました。
戦国時代の兵火により多くの社殿、記録、社宝等が焼失し一時衰退しましたが元和9年(1623)に再建され江戸時代には朱印地23石を安堵されました。古くから神仏習合し「鹿苑大明神」や「高根明神」と呼ばれてきましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、明治6年(1873)に郷社に列し、明治40年(1907)に神饌幣帛料供進神社に指定されています。
鹿苑神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行5間、張間3間、正面1間唐破風向拝付き。本殿は一間社流造、銅板葺き。祭神は大名牟遅命。
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