見付天神社(矢奈比賣神社)概要: 見付天神社(矢奈比賣神社)は静岡県磐田市見付に鎮座している神社です。矢奈比賣神社の創建は不詳ですが貞観11年(869)に編纂された続日本後記では従五位下、延喜元年(901)に編纂された三代実録には正五位上に列した事が記載されています。
延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載された式内社とされ、同じ式内社とされる淡海国玉神社、天御子神社と共に見付三社に数えられました。
当初は元天神の地に鎮座していましたが何時の頃か現在地に遷座しました。正暦4年(993)に太宰府天満宮(福岡県太宰府市宰府)から菅原大神(菅原道真)を勧請合祀、歴代領主から崇敬庇護され、慶長8年(1603)には江戸幕府初代将軍徳川家康から社領50石が寄進されました。明治時代初頭に発令された神仏分離を経て明治6年(1873)に県社に列しています。
又、矢奈比賣神社は霊犬しっぺい太郎伝説でも知られています。古くから遠江の見附には怪物が現れ村々に大きな被害を与えていました。それを防ぐ為、村の鎮守である矢奈比売神の例祭には年頃の娘を柩 (白木の箱)に入れて怪物に捧げることで何とか村の平穏を保っていました。
延慶元年(1308)、その話を聞いた1人の僧が怪物について調べると光前寺(長野県駒ヶ根市)で飼われ霊犬と知られているしっぺい太郎を恐れていることを知ります。
僧は光前寺の住職に訳を話ししっぺい太郎を借り受けると翌年の例祭に娘の代わりにしっぺい太郎を棺に入れ怪物に捧げます。怪物が棺を開けるとしっぺい太郎は猛然と立ち向かい、激闘の末怪物を退治することが出来ました。しかし、しっぺい太郎も負荷でを負い、光前寺にたどり着くと死に絶えたと伝えられています。
例祭である見付天神裸祭は古式を伝える行事として大変貴重な事から平成12年(2000)に国指定重要無形民俗文化財に指定されています。見付天神社(矢奈比賣神社)拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、正面千鳥破風、平入、桁行6間、張間5間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り。本殿は三間社流造、銅板葺き、極彩色仕上げ。
祭神:矢奈比売大神。合祀神:菅原大神、火之迦具土神、表筒男神、中筒男神、底筒男神。
見付天神社(矢奈比賣神社):文化財
・ 見付天神裸祭-国指定重要無形民俗文化財
・ 伊藤虎三郎氏奉納書画一式-磐田市指定文化財(絵画・書跡)
・ 北野天神縁起絵巻-磐田市指定文化財(絵画)
|