勝間田城(牧之原市)概要: 勝間田城は静岡県牧之原市勝田に築かれた城郭です。勝間田城は室町時代の応永年間(1394〜1427年)、当地方の国人領主、勝間田氏によって築かれたのが始まりとされます。勝間田氏は古くから此の地に土着し、保元の乱などで地位を確立し、鎌倉幕府初期には御家人として名を馳せました。建久6年(1195)に領地没収となり一時衰退しましたが元弘の乱(1331)や応永の乱(1399)、永享の乱(1439)などに勝間田氏の名が散見され鎌倉時代末期には既に復権し室町時代には有力な武将として認識されていたようです。
戦国時代に入ると遠江に侵攻した今川家と対立し、親戚筋の横地氏と共に戦線を張り、今川方の狩野氏や堀越氏を討ち取るなど善戦しますが文明8年(1476)、今川義忠の猛攻により勝間田城は落城、義忠が凱旋の途中で残党が襲撃し討ち取るも大局は変わらず、以降、勝間田一族が歴史上の表舞台からは消えました。
勝間田城は中世の山城で南北朝時代に築城さされた遺構と戦国時代に増築された遺構が残されています。記録上は勝間田氏が滅んだ後は無い事から、勝間田氏が対今川氏用に備えたと見られますが、武田氏が遠江に侵攻した際、拠点として利用したとも推定されています。城跡は郭の形状や土塁、空堀、堀切、建物跡などがよく残り貴重な事から昭和58年(1983)に静岡県指定史跡に指定されています。
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