下田市： 白浜神社（伊古奈比�当ｽ神社）

その後、両神とも現在地に遷座し、さらに三嶋大明神が現在の静岡県三島市に遷座しています。境内は白浜海岸に突出した台地で伊豆半島が望める聖地として信仰され、天長９年（８３２）に名神大社、嘉承３年（８５０）に従五位上、仁寿２年（８５２）に正五位下、斉衡元年（８５４）に正五位下に列し、延長５年（９２７）に編纂された延喜式神名帳では名神大社と記載されています。

歴代領主から崇敬されたことで社運が隆盛し、最盛期には境内には壮大な社殿が建立され、社領は７０余町、社家は３６家を数えたとされます。延徳３年（１６３０）には北条早雲が参拝に訪れるなど小田原北条氏が篤く庇護し、慶長年間（１５９６〜１６１５年）は伊豆代官大久保長安が信仰、慶長１２年（１６０７）には長安から鰐口（青銅製・径４２．３ｃｍ・厚１０．８ｃｍ・静岡県指定文化財）が奉納されています。幕府が初穂米や祈願絵馬を奉納したものの寛永７年（１６３０）に社領が上地になると次第に衰退し現在見られる規模となり、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、神社として独立し明治６年（１８７３）に県社に列しています。

白浜神社拝殿は万延元年（１８６０）に造営されたもので、木造平屋建て、入母屋、正面千鳥破風、桟瓦葺き、平入、桁行６間、張間５間、正面１間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造板張り、唐破風懸魚には鳳凰、向拝木鼻には龍の精緻な彫刻が施されています。本殿は大正１１年（１９２２）に造営されたもので、三間社流造、銅板葺き。

白浜神社（伊古奈比�当ｽ神社）の御祭神
・ 伊古奈比�当ｽ・三嶋大明神・見目・若宮・剣ノ御子

白浜神社（伊古奈比�当ｽ神社）の御利益
・ 縁結び・子授け・子育てなど

白浜神社（伊古奈比�当ｽ神社）の文化財
・ 伊古奈比�当ｽ神社のアオギリ自生地−国指定天然記念物
・ 鰐口−慶長１２年−静岡県指定文化財
・ 白浜神社のビャクシン樹林−静岡県指定天然記念物
・ 御正躰（１面）−嘉禄元年−下田市指定文化財
・ 水草双鳥鏡−平安時代後期−下田市指定文化財
・ 亀甲地双雀鏡−鎌倉時代後期−下田市指定文化財
・ 山吹双鳥鏡−鎌倉時代−下田市指定文化財
・ 薬師如来坐像−鎌倉時代後期−下田市指定文化財
・ 佐野北条氏忠朱印状−天正11年−下田市指定文化財
・ 火達山祭祀遺跡−下田市指定史跡
・ 三番叟−下田市指定無形民俗文化財

【 参考：サイト 】 ・ フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 【 参考：文献等 】 ・ 現地案内板-下田市教育委員会