実成寺(伊豆市)概要: 東光山実成寺は静岡県伊豆市柳瀬に境内を構えている日蓮宗の寺院です。 実成寺の創建は正安3年(1301)、日尊上人(日蓮上人の孫弟子)が開いたのが始まりと伝えられています。日蓮宗全国56本山の一つ、興門八本山(北山本門寺、西山本門寺、大石寺、下条妙蓮寺、小泉久遠寺、京都要法寺、保田妙本寺、実成寺)の1つとして寺運が隆盛しました。境内は鎌倉時代の豪族、大見小藤太成家の居館跡で石畳と石垣の一部が当時のものと言われ、背後にある城山が所謂詰城(大見城)で、現在でも郭の形状や濠らしい土地の形状を見ることが出来ます。
寛政11年(1799)の火災で多くの堂宇が焼失しましたが、弘化元年(1844)に客殿、弘化4年(1847)に本堂(寄棟、銅板葺、平入、桁行6間)が再建され、祖師堂(入母屋、銅瓦棒葺、平入、桁行5間、正面1間向拝付)の向拝に彫りこまれた鳳凰や木鼻の獅子や象、手挟みの牡丹、内部欄間などに施された中国故事を模した透かし彫り(松崎町江奈出身の石田富次郎(狩野派)作)は平成6年(1994)に伊豆市指定有形文化財に指定されています。
明治9年(1876)に富士門流の統一教団日蓮宗興門派、明治32年(1899)に日蓮本門宗(本門宗)、昭和16年(1941)に日蓮宗となっています。境内には大見塚(宝剣塚とも中伊豆中学校グラウンド付近にあり大見氏の陣場跡とされています)から移された大見平三家政の墓があり昭和63年(1988)に伊豆市指定史跡に指定されています。
境内門前には芭蕉句碑が建立され元禄6年(1693)に松尾芭蕉が詠んだ「春もやゝ気色とゝのふ月と梅」が刻まれています。山号:東光山。宗派:日蓮宗。本尊:板漫荼羅。
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