旅館いな葉(伊東温泉)概要: 旅館いな葉は大正時代末期(1912〜25)、稲葉惣次郎氏が「大東館」として建てたものです。木造3階建、地下1階、搭屋付、入母屋、桟瓦葺、建築面積451u。当初は2階建てでしたが昭和4年(1929)に西側が増築、昭和12年(1937)に3階部を増築しています。
特に3階屋根上部に設けられた搭屋が象徴的でインドの寺院建築で見られるドームのような意匠をしています。
当時の伊東温泉は松川沿いに多くの大型木造旅館が建ち並び温泉街を形成していましたが時代の流れにより多くの旅館が廃業に追い込まれ、建物も「旅館いな葉」と隣接する「東海館(伊東温泉観光・文化施設)」だけとなりました。
旅館いな葉は大正から昭和初期に建てられた大型木造旅館の遺構として貴重なことから昭和63年(1988)に静岡県のまちなみ50選に選定され「 国土の歴史的景観に寄与しているもの」との理由から平成10年(1998)に国登録有形文化財に登録されています。
|