東海館(伊東温泉)概要: 東海館の建物は松川の川沿いの河合家別荘の跡地に昭和3年(1928)に稲葉安太郎氏(材木商・企業家)によって建てられたもので昭和13年(1938)と昭和24年(1949)に大きな増築があり現在に近い建物になりました。
木造3階建、入母屋、桟瓦葺、望楼(宝形屋根、銅瓦棒葺、桁行2間、梁間2間)付、玄関には唐破風屋根を採用し懸魚には初代森田東光(主に伊東市内を中心に社寺建築の彫刻作品を残しています。)が手懸けた亀や波、扇、鯉などの縁起物の彫刻が掘り込まれています。
稲葉氏は材木店を営んでいたこともあり随所の高級な良材が使用されており、3人の棟梁が技を競いながら様々な意匠が見られます。東海館は昭和初期に建てられた木造大型旅館の遺構として貴重な事から平成11年(1999)に伊東市指定有形文化財に指定されています。平成9年(1997)に旅館業は廃業しましたが現在は伊東温泉観光・文化施設「東海館」として再利用され一般公開されています。
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