鵜田寺(島田市)概要: 天正山鵜田寺は静岡県島田市野田に境内を構えている真言宗泉涌寺派の寺院です。 鵜田寺の創建は天平宝字2年(758)、ある旅僧が大井川を渡ろうとした際、河原の下から呼び止める声がした為、不思議に思い堀り進めたところ1体の薬師如来像が現れました。旅僧は仏の導きと感じ、御堂を建立し薬師如来像を安置したと伝えられています。鵜田寺は島田市最古の寺院とされますが、戦国時代までの詳細は不詳、永禄11年(1568)の武田信玄の兵火により焼失した事で大きな被害を受け、天正年間(1573〜1592年)に再興しています。
境内の一角に建立されている宝筺印塔は鎌倉時代初期の遊女で曾我祐成(河津祐泰の実子で、祐泰が工藤祐経に暗殺されると兄弟で仇討を行った。)の妾とされる虎御前の供養塔と伝えられています。伝承によると虎御前は島田出身で島田髷を考案者とされ、毎年9月の第三日曜日には島田髷の供養祭が行われています。
鵜田寺の本尊である木造薬師如来坐像は平安時代後期に製作されたもので像高52.4cm、一木造、檜材、貴重な事から昭和33年(1958)に静岡県指定文化財に指定されています。鵜田寺の寺宝である鰐口は大永5年(1525)に製作されたもので、青銅製、直径40.6cm、重さ9キロ、当寺の由緒の銘、静岡県の中では最大級の鰐口で貴重な事から昭和31年(1956)に静岡県指定文化財に指定されています。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、妻入り、間口3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。山号:天正山。宗派:真言宗泉涌寺派。本尊:薬師如来、虚空蔵菩薩。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由緒)-天正山鵜田寺
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